三浦法律事務所(三浦潤税理士事務所

豊橋市・豊川市・蒲郡市の相続・相続税のご相談は
三浦法律事務所(三浦潤税理士事務所)へ。

よくわかる相続・税金のしくみ

よくわかる相続・税金のしくみ

生命保険は相続対策の定石!生命保険金の節税効果と遺言代替機能

更新日:2018年05月18日

死亡保険金の法的性質と遺産分割

 生命保険契約に基づく、死亡を原因とする保険金(死亡保険金)の民法上の取り扱いについてお話します。なお、農協の共済契約に基づく共済金も同じ取り扱いになります。

 死亡保険金は、民法上、相続で取得した財産、すなわち相続財産にはなりません。保険契約で保険金受取人に指定された者の固有の権利とされます。

 これは、死亡保険金は故人が生前に表示していた意思(「契約」)に基づき取得するものであり、「法律」の規定に基づき権利を取得する「相続」という事態とは法律上区別される、という法律家の理解によるものです。「契約」か「相続」か、どちらにしても死亡を原因とするわけですが、主要な原因が契約なのか法律なのかで厳密に区別されています。

 このように死亡保険金が相続財産ではないということは、遺産分割の対象にはならないということです。ですから、遺産分割協議では死亡保険金を分けてほしいとも言えませんし、遺産分割協議書に死亡保険金を誰が取得するか書くこともありません(ただし、代償金の資金源にすることはできます。)。

死亡保険金の節税効果

 相続税は、原則、民法上の相続財産を課税対象にします。ですから、本来、死亡保険金は相続税の課税対象にはならないはずです。

 しかし、相続税法は特別の規定を設けて、死亡保険金も相続財産とみなす取り扱いをしています。これは、預貯金で財産を残した場合との税負担の公平を図るためです。他方で、相続税法は、死亡保険金について相続財産とはみなさない一定の金額(非課税枠)も定めています。

 かつては遺族の生活保障のために保険が奨励されたなどの事情があって、現在は、税負担の公平と保険の奨励を考慮して、死亡保険金の非課税枠は、「法定相続人の数×500万円」とされています。相続人が3人なら1500万円です。

 ここで、「法定相続人の数」という文言に注意が必要です。通常は、民法上の相続人の数と一致しますが、相続放棄があった場合や養子がたくさんいる場合には別の数え方をします。 

死亡保険金の遺言代替機能

 死亡保険金は相続財産ではなく、遺産分割の対象になりません。この理屈を進めると、遺言書を書かなくても遺産の配分を一部決められるという結論になります。

 多くの人が、自分の老後も死後も世話をしてくれる後継ぎに財産で報いたいと感じる一方、遺言書を書くことにはためらいを感じています。こういう場合、後継ぎとなる相続人を保険金受取人に指定して生命保険に加入すれば、お手軽に遺産分けを一部決められることになります。預貯金(相続財産)で残せばもめてしまうと法定相続分しか渡せませんが、保険金(受取人の固有の権利)で残せばもめても保険金全額を渡すことができるわけです。

 もっとも、「何事も極端は悪」(ユダヤ商法)です。死亡保険金の遺産総額に占める割合が大きすぎると、裁判では、例外的に特別受益に準じて取り扱われ、民法上の相続財産とみなされます。相続財産とみなされない割合については、遺言相続相談会でお尋ねください。

死亡保険金の活用例ー相続税の節税効果

 財産9000万円(内、預貯金4000万円)、相続人子供3人(ABC)の事例では、相続税の総額は480万円、各人の法定相続分は3000万円です。ここで、預貯金2100万円を死亡保険金2100万円(受取人A)に変えてみましょう。

 相続税の計算

 ①   相続税法上のみなし相続財産 

   民法上の相続財産6900万円+600万円(保険金2100万円-非課税枠1500万円⦅500万円×3人⦆)=7500万円

 ②   課税遺産総額  

   7500万円-基礎控除額4800万円(3000万円+600万円×3人)=2700万円

 ③   早見表による相続税の総額  

     270万円 

  このように210万円の節税になります。次回は、財産の配分の変化を見ましょう。

死亡保険金の活用例ー遺言代替機能

 財産9000万円(内、預貯金4000万円)、相続人子供3人(ABC)の事例では、相続税の総額は480万円、各人の法定相続分は3000万円です。ここで、預貯金2100万円を死亡保険金2100万円(受取人A)に変えてみましょう。

 ① 遺産分割における各人の法定相続分

   民法上の相続財産6900万円÷3人=2300万円/1人 

 このように、一人あたりの法定相続分は700万円少なくなります。

 ② 法定相続分で遺産分割をしたときの財産の実際の配分

   A=2300万円+保険金2100万円=4400万円(財産の約50%) 

   B=2300万円(財産の約25%)  

   C=2300万円(財産の約25%)

 このように、遺言書を書かなくても意中の相続人に1400万円多く残せます。

 

記事一覧

ご相談・お問い合わせ