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よくわかる相続・税金のしくみ

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農地の相続で考えたい節税策!農地の納税猶予制度の概要・要件・効果

更新日:2018年05月18日

農地の納税猶予の概要

 今回と次回で、相続税に関する農地の納税猶予の制度を紹介します。この制度を利用すると、市街化区域の田畑の評価は通常評価額の約1%になります。たとえば、相続税路線価5万円/㎡、1000㎡の面積で通常評価額5000万円の畑が、約65万円の評価になります。そして、通常評価額に基づく相続税額と制度評価額に基づく相続税額との差額が猶予(及び免除)されます。

 昭和3、40年代、都市計画法に基づく線引きが日本中で実施され、家が自由に建てられる市街化区域と、そうでない調整区域に区別されました。その後、市街化区域の農地の時価は著しく高騰していきましたが、農業を生業とする農家にしてみれば市の判断で一方的に資産家にされてしまったわけです。その結果、いざ相続が発生すると零細な農家にも高額の相続税が課されることになり、納税資金があるはずもない農家は泣く泣く農地を手放す事態になったのです。こうした事態を防ごうというのが農地の納税猶予の制度です。

農地の納税猶予の要件・効果

 農地の納税猶予(及び免除)の要件ですが、まず、市街化調整区域では、農業相続人が死ぬまで農業経営を継続することが必要です。老いかがまっても農地を貸すことなく自ら経営しなければなりません。そもそも、調整区域では農地の通常評価額は1反100万円から200万円くらい。評価減のメリットよりも負担の方が大きいので、制度利用には熟慮が必要です。

 これに対して、市街化区域では、農業相続人が死ぬまで又は20年間農業経営を継続すれば(納税を猶予されていた)相続税が最終的に免除されます。20年間でよいなら健康と家族の協力があればやってやれないことはありません。しかも、効果は数千万円もの評価減、相続税にして数百万円から数千万円の免税です。相続人に農地の売却や転用の予定がないなら、検討をお勧めします。

 なお、以上の説明は東三河(豊橋市・豊川市・蒲郡市・田原市・新城市など)の農地に限った話で、西三河以西では市街化区域の農地(生産緑地に限ります)であっても死ぬまで農業経営を継続することが要件です。

農地の納税猶予の具体例

 東三河(豊橋市・豊川市・蒲郡市・田原市・新城市など)の市街化区域の土地(畑5000万円、田5000万円(売却・転用予定あり))、預貯金2000万円、相続人子供2人の事例では、通常の相続財産額は1億2000万円、通常の相続税額は1160万円です。ここで、畑だけ農地の納税猶予を利用してみましょう。

  ①相続税法上の相続財産額

     畑65万円+田5000万円+預貯金2000万円=7065万円

  ②課税遺産総額  

     7065万円-基礎控除額4200万円(3000万円+600万円×2人)=2865万円

  ③早見表による相続税の総額  

     329万7500円 (相続税の差額約830万円)

  このように約830万円の相続税額が猶予(及び免除)されます。遺産分けでは不機嫌な妹も、「私の税金も減るなら、お兄ちゃん、頑張って」と、生まれて初めて優しい言葉をかけてくれるでしょう。

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